KECらしさ
自分たちの雇用は自分たちで守る
創業の精神とともに当社に受け継がれるKOAマインドの一つに「挑戦し1%の可能性がある限りあきらめるな」という言葉があります。
2001年ドットコムバブルが弾け、当社の売上は25%ダウンしました。経営は全7工場の存続は不可能と判断。泰阜工場の仕事を他工場へ集約し、男性社員も設備と一緒に異動する決定をします。同工場の女性社員は自分たちの仕事が無くなるなる状況に直面します。しかし、彼女たちは諦めませんでした。KOAグループ各社に足を運び「この製品をやらせてください」と頭を下げて仕事を確保し、受注した製品を自分たちで生産できるよう発注元のグループ企業に2ヶ月間通い作業を習得したのです。自ら多能工として働くことで彼女たちは自分の雇用を維持しました。自分たちの工場を守りたいとの思いは実を結び、半年後に泰阜工場は黒字化を成し遂げたのです。
ハチドリ活動
興亜エレクトロニクスでは、生産現場での改善活動に向けた教育訓練で『ハチドリのひとしずく いま、私に出来ること』(光文社)を活用しています。
森で起きた火事を消すために、ハチドリがくちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます。その行動の意味について、そしてこの小さな消火活動が森の他の仲間に連鎖したときの意味について考えるのが教育訓練の課題です。
目の前の課題に対するハチドリの取り組み姿勢は、私たちの改善活動に通じます。一人ひとりの気付きとその実践は、それぞれほんの小さなしずくかもしれません。しかし、それを毎日、何人も重ねていくことで、最後に大きな成果を得ることができるのです。
森が燃えていました
森の生きものたちはわれ先にと
逃げていきました
でもクリキンディという名のハチドリだけは
いったりきたり
くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
といって笑います
クリキンディはこう答えました
「私は、私にできることをしているだけ」
(監修・辻信一/光文社刊)
おせんしょ活動
興亜エレクトロニクスでは、社員同士が助け合う「おせんしょ活動」を実践しています。
「せんしょ」とはお節介という意味の方言です。他人は他人、自分は自分とドライに割り切るのではなく、不必要に人ごとに立ち入るのでもなく、利他心を持ち、個人やお隣同士、そして部門を越えて皆で協力し合う姿勢や行動を「せんしょ」と私たちは呼びます。
たとえば、職場では仲間の体と心の健康を互いに気遣い、声を掛け合い、普段と様子が違ったら相談に乗ったり、上長に報告したりします。また、田舎の道端でよく見かける野菜の無人販売を社内に設置しています。兼業農家の社員がつくった野菜で、家で食べきれなかったり、キズがあるなどして市場へ出せなかったりしたものを会社に持ち込んでもらい、非農家の社員が買っていく仕組みです。